【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第10章 初恋的回忆〜初恋の思い出〜
月娘のその笑顔を見て。
壬氏は一瞬驚いた顔をしたが、明日も月娘と会えると分かって、壬氏は本当に嬉しそうに笑った。
その壬氏の笑顔を見て、月娘の心は少し暖かくなった。
とても綺麗に笑う男の子に、そんな風に喜んでくれるなら何度でも会いに来てあげよう。
そんな風に思った。
「月娘!!」
「月娘!」
「…………………。」
その日以来、壬氏は本当に何度も月娘を自分の邸に呼んだ。
壬氏の部屋で2人は色々な遊びをした。
壬氏は月娘が遊びたい事を優先した。
双六や、それこそ人形遊びまでしたのだ。
壬氏からすれば、どんな遊びをするかと言う事より。
月娘と一緒に居る時間が楽しいからだ。
(……これは……。)
2人が仲睦ましく遊んでいる横で、微妙な顔をしているのは高順だ。
壬氏の悪い癖が出ている。
1つのモノに執着している。
それがおもちゃでは無く、友達なのがまた悩ませた。
案の定、しばらく何も言わなかった水連が壬氏に言ってきた。