【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第9章 花街に毒の花が咲く⑤
(ああ…だから敢えて兄妹の様に振る舞ったのね…。)
夏潤が買えないほどの大金を叩いたとするなら。
それは皇弟1人だ。
夏潤は壬氏が誰なのかもう知っているのだろう。
だとしたら、私と瑞がどんな時間を過ごしたかも…。
ギシッー。
ビクッ!
夏潤が寝台から立ち上がり、月娘にゆっくりと近付いて来た。
月娘は逃げたくなる衝動を抑えて、近付いて来る夏潤を見ていた。
「!!」
月娘の胸元の服を掴むと、夏潤は自分の方に月娘の身体を寄せた。
月娘が身体を離して抵抗したせいで、ブチブチッと服が破れる音がした。
「………はっ………。」
「……………。」
月娘の服が破れると、首から胸元が夏潤に曝される。
月娘は今の自分の身体がどんななのか、嫌なほど分かっている。
壬氏との情事の痕が身体中に付いているのを知っているから。
「…内官と随分楽しい時間を過ごした様だな。」
夏潤の目が細くなったのを見て、月娘は唇が震えた。