• テキストサイズ

【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第8章 【R指定】花街に毒の花が咲く④


壬氏の言葉を聞いて、夏潤はニヤッと笑った。

「月娘はまだ皇室から正式に招かれてませんし、皇太弟殿下との婚約は破棄されたままです。」



その言葉に、既に壬氏と身体を結んでいる。

そう叫びそうになったが、壬氏は月娘の表情を見て辞めた。

月娘は何も喋らないでくれと。

そう壬氏に訴えた目をしていた。



「残り少ない兄妹の触れ合い位見逃して下さい。」

そう爽やかな笑顔で夏潤は月娘を連れて馬車に入った。



「………………。」

月娘達が乗った馬車が花街から離れていくのを、壬氏達は黙って見送っていた。

呆然としている壬氏を、高順と猫猫が馬車に押し入れて、自分達も後宮に向かう。



「……あの2人は兄妹なのか?」

呆然としたまま壬氏はボソッと呟いた。

「……夏潤殿は月娘様の母方の姉妹の息子だと聞いています。2人が兄弟かもしれない噂は確かにあって、それは月娘様と夏潤殿が似すぎている為、夏潤殿が枋太師の婚外子ではないかと噂されているんです。」

あの固くて生真面目な枋太師が、嫁の姉妹に手を出すのか。

壬氏は腑に落ちなかった。
/ 408ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp