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【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第8章 【R指定】花街に毒の花が咲く④


そんな壬氏の性格を分かっている高順の行動が、壬氏を満足させた。

「月娘の侍女を呼んでくれ。」

壬氏の命を聞くと、すぐに高順は扉を閉めた。



壬氏は月娘の望みを叶えると、またすぐに彼女の元に戻った。

「月娘。僑香を呼んだから隠している顔を見せてくれ。」

寝具に包まれている月娘を、壬氏は丁寧に剥がしていく。



「……瑞…。あんまり見ないで…。」

やっと出てきた月娘の顔は真っ赤で。

自分の今の姿を恥じている様だった。



何度抱いても月娘に対する気持ちは変わらない。

むしろ、こんな顔を見る度に、壬氏の気持ちは跳ね上がり、更に月娘を求めるのだ。



「…月娘…。お前はどんな姿でも美しい。」

そう言って、現れた月娘の唇にキスを繰り返す。



その姿がたとえ妓女でも。

いつもの毒の華でも。

壬氏にとっては変わらずに美しい華だった。



「月娘様。」

扉の向こうから僑香の声がした。

月娘との時間が終わってしまうのが分かると、壬氏は見るからに不機嫌そうになった。
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