【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第7章 【R指定】花街に毒の花が咲く③
「っ月娘っ。」
泣いている月娘を見て、壬氏はびっくりした様に身体を起こした。
泣くほど辛く抱いてしまったのだろうか。
「悪かった、痛かったよな…。」
怒りに任せて抱いてしまったから、正直加減なんて出来なかった。
壬氏は慌てて月娘の中から自分のモノを抜いた。
「う…っ…瑞……。」
「月娘泣かないでくれ、もう無理にしないから。」
泣いている月娘を一生懸命にあやしながら、壬氏は月娘を抱き締めた。
「……昔……、13歳の頃に婚姻の義を前にして2人で別々に夜伽について指南されたのを思い出したの…。」
月娘がそう言うと、壬氏の身体がビクッと跳ねた。
「今みたいに瑞を受け入れて、ただ瑞が果てるのを待てばいいって教わったわ…。」
壬氏にもそんな記憶があった。
ただ単調に男女が重なる絵を見せられて、行為の手ほどきだけ受けた。
それは事務的で、壬氏は何の感情も浮かばなかったのを覚えている。
そんな気持ちを月娘にさせてしまったのか。
壬氏に強い後悔が襲いかかった。