第7章 【R指定】花街に毒の花が咲く③

そう言って自分に縋り付く月娘を愛おしそうに抱きながら、壬氏は月娘が絡ませた腕を払った。



一瞬、月娘の顔に動揺が見えた。

その月娘の表情に、また壬氏は目を細める。



「誰がお前を悦ばせてやると言った？」

全てお前の望み通りだったのなら。

俺の怒りは何処に向かえばいい？



壬氏は月娘を抱き締めると思い切り腰を動かした。

苦しそうにする月娘に顧みずに。

ただ自分の快楽だけを押し付ける。



月娘の腕が少しも壬氏に触れなくても、月娘を押さえ付けてその情欲だけをぶつけた。



それなのにこの女はー。

苦しそうな表情の中に、確かに悦びを見せてくる。



その月娘の顔に、おかしくなりそうなほど興奮した。

無理矢理月娘を組み敷くだけのその行為に、やっと月娘が自分だけのモノになったとひれ伏した気がした。



「あっ…ああっ…っ瑞…っ……んっ！」




今夜やっと。

この女の全てが俺のモノになる。




自分に揺さぶられるだけの女を見て、壬氏はその奥に自身を捩じ込んだ。