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【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第7章 【R指定】花街に毒の花が咲く③


身体より深刻だったのはやはり気持ちだった。

月娘と居たら、自分の信念すら曲げて月娘を自分のモノにしたくて仕方無かった。



皇位継承で皇室が荒れても。

それすら構わずに、何度も何度も月娘と夫婦になりたいと切に願った。



そんな風に自分の全てを支配してしまう月娘が怖くて逃げていたのは事実だった。



確かに月娘との婚姻を伸ばして、最初のすれ違いを作ったのは壬氏だったかもしれない。

だけど壬氏は知っていた。

ある時期から、明らかに月娘の態度が変わった。



皇室に入る事を執着し始めて、それが無理なら壬氏から離れる算段を打つ様になった。

今日の様に。



散々後宮を荒らしていたのは、壬氏に気に留めて貰いたかった。

その気持ちも嘘では無いだろう。

だけど、壬氏が月娘に嫌気を差しても構わないと思えるほど、その行動は過激になっていた。



「…俺はもうはらを決めた。お前はずっと俺の女人だ。何があっても。」

「…瑞……。」

「だからお前が何に苦しんでいるのか、いい加減俺に教えてくれ。」
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