【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第6章 【R指定】花街に毒の華が咲く②
ギュッと月娘の顔を掴んで、壬氏はまた顔を近づけた。
「なってやるよ東宮に。」
そう言った壬氏の真剣な顔に、月娘は思わず魅入った。
初めて見る様な皇弟の顔だった。
「俺から離れたくて自由になりたかったのに残念だな。」
「瑞月…違っ……。」
口を挟もうとした月娘の口を、壬氏は手で抑えた。
「いい加減に気付けよ。この身体が誰のモノかって。」
壬氏は空いている手で、胸元が開いている服の中に手を入れると、月娘の肩を出した。
この身体は他の男が見ていい身体じゃない。
「いっー!」
出てきた月娘の肩に、壬氏が噛み付いた。
月娘の身体に自分の残した痕を見て、壬氏は満足そうに笑った。
「お前は一生俺から離れられないし、皇室の外に出る事も一生ないだろう。」
ああ本当に…。
初めからそうすれば良かったんだ。
お前が綺麗に咲いていいのは俺の前だけだ。
「……随分と楽しむ気だったんだな…。」
壬氏は寝所にある拘束具や木箱を見て言った。
その木箱の中に何が入っているのか、もう壬氏には分かっていた。