【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第6章 【R指定】花街に毒の華が咲く②
無理矢理月娘の唇を開かせて舌を押し込んだ。
激しくはないが、抵抗の素振りを見せる月娘の腕も思い切り掴んだ。
咄嗟に月娘が壬氏の手首を掴んでも、彼は少しも動じずに月娘の顔を両手で掴んでキスを繰り返した。
「っん……ずい…っ」
逃げ惑う月娘の舌を追いかけて舌を絡ませる。
そして、月娘の顔に触れていた手で、彼女の身体を掴んだ。
「!」
身体を持ち上げられて、寝かされた場所は先程まで高順が寝ていた寝具だ。
「瑞月……。」
壬氏の名前を呼んでもすぐに唇を塞がられて、組み敷かれながらキスを続けられる。
月娘の手は壬氏の着物を掴んでいたが、彼を引き剥がそうとはしていなかった。
「んっ……ちゅっ……はぁっ……。」
しばらく舌を絡めた後に、壬氏は唇を離して月娘を見下ろした。
薄っすら目を開けると、月娘を見る壬氏と目が合った。
「お前との関係を秘密にして、誰にも邪魔されずに一緒に過ごしていこうと思ってた。」
「瑞月……。」
「でも辞めた。」