【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第6章 【R指定】花街に毒の華が咲く②
「もう私も貴方も死罪は免れませんよ!!」
近付く月娘から顔を逸らして、高順は叫んだ。
そんな高順を見て、月娘はまた柔らかく笑った。
「素敵じゃない…高順……。」
そう言って動けない高順の顔をスリッと撫でた。
「私と一緒に処刑されてくれる?」
そう言って笑った月娘の目は。
最後までこの場所に来なかった瑞月への恨みと。
悲しみの色が滲んでいた。
ちゅっ。
「………………。」
月娘がしたキスは、結局避けられて、高順の頬に触れただけだった。
「…避けたわね…。」
「私は貴方様とは死ねません。」
「子供も孫も気にしてるの?高順…。」
避ける高順の顔を月娘は両手で掴んで自分に向けた。
「あの人が、貴方を私に当てがったのでしょう?自分は逃げて。」
悲しみの色は消え失せて、その目には怒りしか見えなかった。
「私、姐姐達に沢山教えて貰ったの。男の悦ばせ方を。」
月娘の手が、高順の着物の中に入ってきた。
「薬を飲んでいる貴方にも効くかしら?」