【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第6章 【R指定】花街に毒の華が咲く②
「貴方が目を逸らしている事を敢えて言うなら、皇弟として月娘様と婚姻し、皇室に仕えるんです。」
「それを望むなら、14の時に月娘と夫婦になってたよ!」
「だったら月娘様を2度と皇室に入らない様に処分し、月娘様を手放すべきです。」
高順が今でこんなにハッキリと壬氏に意見を言ったのは初めてだった。
その事に壬氏は多少驚いたが、高順が真っ直ぐに見てくるので、これが彼の本心だと分かった。
「…情のない事を言うな…。」
ずっと2人を見てきた高順に言われると、それが正解だと自分でも分かっている。
「月娘様は今回一線を超えてしまいました。月娘様のお心はそんな所ではないでしょうか。」
昔から月娘が問題を起こすのは、壬氏を試していたのでは無くて。
本当はこの関係に疲れて、壬氏から離れたがっていたのか。
そんな風に月娘の気持ちを考えたら壬氏は胸が痛くなった。
どうやって月娘を手放せばいいのか。
もし月娘が今夜、本当に自分を避けて違う男に抱かれたなら、到底許せるはずも無いのに。
どうしても手放す事が出来るとは思えない。