【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第5章 花街に毒の華が咲く
「大丈夫よ。最高額は私が出してあげるから。ただ猫猫は私の隣に居ればいいのよ。」
壬氏なら、月娘の隣に猫猫が居たら気がつくだろう。
そして、月娘が居るとわかっていても猫猫を最高額で守るだろう。
(もう中途半端じゃ許さないわよ。)
ああ、なんだか楽しくなり過ぎて。
今日は眠れそうにない。
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「…とてもお肌の調子が良さそうですね月娘様…。」
朝からキラキラ輝いている月娘を前に、猫猫は大きな隈を作り、とてもくたびれていた。
月娘の為の化粧を夜通し作っていたからだ。
「昨日の僑香と猫猫のお世話が良かったみたいね。ありがとう。」
そう天女の様な笑顔で微笑むが、側に居る2人は正気を失った顔をしている。
月娘だとバレたら命が無い。
そう危機感を持っているのはこの2人だけだ。
「猫猫が化粧をするの?」
月娘の準備に入る猫猫の周りに妓女達が集まってきた。
みんな猫猫の作った化粧に興味津々だ。