【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第5章 花街に毒の華が咲く
いや、本当に月娘だとバレない様にしないと…。
明日の祭りは血祭りに変わってしまう。
綠青館の本気が試されているのだ。
(今ある材料で、月娘様に使える化粧品を作らないと…)
猫猫はすぐに父親の元に向かった。
月娘様は小姐達に任せよう。
従者に文を渡した僑香が戻る時には。
もう後戻りが出来ない所まできていた。
(ああ…旦那様…。どうか間に合います様に…。)
僑香が天を仰いで祈りを捧げている数時間後。
月娘の暴挙が皇室の太師に伝わった。
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「……何を考えてるんだ月娘は…。」
従者から文を受け取った太師は、僑香と同じ様に顔を真っ青にさせる。
今までの月娘の悪行が可愛く思えるほどの暴挙だった。
(こんな事、皇室にバレる訳にはいかない。)
太師はなんとか自分達で月娘を止める手立てを考える。
「太師。」
「??!!」
文を持って挙動不審の太師に声を掛けたのは。
今日に限って皇室で瑞月として公務を行なっていた壬氏だった。