【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第5章 花街に毒の華が咲く
(た…大変だ……!旦那様に連絡しないと……!)
今にも卒倒しそうなのを堪えて、僑香はすぐに文を書いた。
そしてそれを馬車の従者に渡し、防家の旦那様に渡る様にお願いする。
僑香が慌しく動いているのも気にせずに。
月娘は綠青館の中で、妓女達に囲まれていた。
「お嬢様の美貌は誰にも引けを取りません。」
「後は妓女に必要な色気だけですね。」
「色気?」
月娘はグルッと妓女達を見渡した。
(……確かに…なんだか私野暮ったい……。)
肌を極力見せない様に、首元まで着込んでいる月娘に比べて。
彼女達の服は軽そうだし…。
何より肌の露出が違う。
だけどそれが下品に見えないで、彼女達の美貌を更に引き立てている。
装飾品は少ないのに、見せている肌だけでキラキラ輝いている。
ん?本当に輝いている。
月娘は妓女の肌に顔を近付けて、キラキラしている滑らかな肌を凝視した。
「ああ、これは猫猫が白粉の中に貝の殻を入れてくれたのよ。」
「人体には影響無いですよ。」