【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第5章 花街に毒の華が咲く
月娘はスッと羽織を顔から取ると、やり手婆にニッコリ笑った。
「!!!!」
顔を表した月娘の美しさに、綠青館の人間がざわついた。
その美貌は三美姫にも劣らない。
「明日新人の妓女のお披露目があると聞きまして…。私も参加したいのですが出来ますか?」
「!!!!????」
月娘の言葉に、猫猫は真っ青を通り越して、血の気が無い顔をする。
(何を言ってるんだ月娘様は!!!)
それとも何か?防家とはそこまで奔走出来る家柄なのか?!
「…………………。」
猫猫は僑香を見ると、こちらも顔を白くして今にも気絶しそうだ。
(違う、これは間違い無く首が飛ぶパターンだ!!!)
「婆さん!この方はー!!」
今度は猫猫の口を月娘が塞いだ。
「妓女にはなれませんが…、明日の宴の参加の後に部屋も一部屋貸して下さい。」
そう言って月娘は、やり手婆の耳元で何やら交渉を始める。
「いいですよお嬢様!明日までに立派な妓女に仕立て上げます!!」
おい、いくら積まれた??!!
そしてそれは命より高いのか!!??