• テキストサイズ

【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第5章 花街に毒の華が咲く









「……お嬢様…、何をお考えで……。」

無言でスタスタと歩いて行く月娘に、僑香は不安になりながら聞いた。

壬氏と拗れた後の月娘は、絶対に何か騒動を起こす。

僑香は高順と同じで、嫌な予感しかしない。



「………………。」

月娘は扇で口元を隠しながら、無言で歩いていたが、その心は穏やかなモノじゃ無い。

僑香の想像通りに、壬氏に何かしたくて仕方が無いのだ。



「…あら…。」

そんな月娘と僑香の前に、猫猫と若い男性が2人で後宮を出で行くのが見えた。

月娘はすぐにそんな猫猫に声を掛けた。



「猫猫。」

月娘が猫猫を呼んで彼女が振り返り月娘を確認すると、慌てて頭を下げた。

隣の男。李白もまた月娘に気がつくとすぐに頭を下げた。



「…後宮から出でどこ行くの?」

月娘はチラッと李白を見ながら聞いた。

「……3日間の里帰りです。」



猫猫の言葉を聞いて、今度は月娘が目を丸くして驚いた。



「……貴方壬氏から簪を貰ったんじゃないの?」

「なんでそれを?」

月娘が猫猫の耳元でボソッと話すと、猫猫は驚いた様に顔を上げた。
/ 408ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp