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ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第1章 悪霊がいっぱい!?


「本当に来てくれるかなぁ」

「でもさぁ、昨日おっどろいたよねぇ」

「あたし、本当に出たかと思っちゃった」

「ね、場所はどうする?ここじゃムードないじゃない?」

「また視聴覚室使おうか」


なんて3人が話していると、それを遮るかのように鋭い声が飛んできた。


「ちょっと」


ふと、そちらへと視線を向ける。
そこには黒髪のお下げ姿にメガネをかけた、一人の少女が立っていた。


(えーと、確か……麻衣と同じクラスの黒田さんだっけ?)


如何にも真面目そうな感じの少女。
そんな感じの少女はこちらを睨んできている。


「あ、黒田さん。さよなら」

「あなたたち、今してたのなんの話?」


黒田という少女の言葉に、ミチル達は何処と無くむっとした表情になっていた。
そんな彼女達を横目に麻衣がはっきりと答える。


「今日、怪談するの。その話」

「ばっ、麻衣ばかっ!」

「怪談ですって!?」


麻衣の言葉に、黒田はキッと鋭い目付きになった。
その時、ノックの音が聞こえてきた。


「谷山さんたち、いるかな」


2人は怪訝そうに扉の方へと視線を向ければ、そこには渋谷の姿があった。
彼の姿が現れた瞬間、ミチル達はきゃあ!と声をあげる。


「何年生?なんの御用ですか」


そんな彼女達を無視して、黒田は鋭い目つきで渋谷を見る。


「ああ、彼女たちと約束があって」

「約束?怪談の?」

「そうだけど」


すんなりと渋谷が答えると、黒田は怒りを顕にしながら結衣達の方へと振り返った。


「そんなことはやめなさいっていってるでしょ!どうりで、今朝学校に来たら頭が痛くなったはずだわ!」

「はえ?」

「わたし、霊感が強いのよね。霊が集まってると頭痛がするのよ。今日は1日頭が痛い。霊が集まってるんだわ」

「はあ……」

「知らないの?怪談をすると低級霊が集まってくるの。低級霊が集まれば強い霊を呼ぶわ。そうなったら、大変なの。だから怪談なんておもしろがってしちゃだめよ」


黒田は頭を抑えながらそう話し出した。


「あなたも、年長者がそんなじゃ困るわ。いちおう、わたしが除霊しておきますけど」

「……君の気のせいだと思いますが?」

「これだから霊感のない人は困るのよ」
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