第8章 呪いの家
二人を追いかける双子は眉を寄せる。
何故こんなにも嫌がって逃げるのだろうかと疑問を抱きながらも、外に出た子供を追いかけて同じように外に出た。
「ねえ、麻衣。あの二人もしかして……」
「うん……もしかしたら……」
二人は憑依されている可能際がある。
双子は同時にそう思いながら、とある事を思いついた。
「……和歌子ちゃん。おじさんが死んだの知ってる?」
麻衣の言葉に和歌子たちの足が止まる。
「靖高さん、死んじゃったの知ってる?二人とも」
続けて結衣が言うと二人が振り返って、嬉しげに微笑みを浮かべたのである。
「ほんと?」
「やった!」
そこで確信した。
二人はやはり憑依されているのだと。
そして結衣と麻衣は顔を見合せてから頷いた。
「──えっと……それと彰文さんもね……」
「彰にいさんも?どうかしたの?」
「どうしよう、教えようかな」
「おしえておしえて!」
「んー……でもやっぱナイショにしておこうかな」
「えー!」
「ねえ、おしえてよ」
子供たちが双子に近づき服を引っ張る。
先程まで嫌がって逃げていたのが嘘のように、興味津々と双子に近寄って聞いてくるのだ。
「彰にいさんもしんだの?くるまにのった?」
その言葉に双子は直ぐさま和歌子と克己の腕を掴んだ。
「車?車ってどういうこと!?」
「車になにかあるの!?」
「はなしてー」
すると、騒ぎを聞き付けたのか綾子と光可が飛び出してきた。
「結衣、麻衣?どうしたの?」
丁度いい、助けてもらおうと結衣が綾子の方を振り返った瞬間だった。
克己が握っていた手を振りほどいて、彼女から数歩離れた先まで走ってしまったのである。
「克己くん!」
しくじった。
結衣は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、克己へと近寄ろうとする。
「……和歌ちゃんはなせよ!」
「嫌だ。車のことなんなのか教えてくれなきゃ、和歌子ちゃんは離さないよ」
「はなせってば!」
言葉で言っても聞いてはくれないと結衣は眉を寄せる。
こういう時はどうすればいいのだろうかと思っていると、背後で麻衣が和歌子を綾子へと渡していた。
「綾子、和歌子ちゃんに護符を持たせて」