第7章 血ぬられた迷宮
麻衣と共に廊下を走る。
色んな部屋を開けては走ってを繰り返していき、とある一部屋を乱暴に開けた。
そしてあたしと麻衣はお互いの顔を見てから叫んだ。
「「──あった……!」」
あたし達の声に全員が集まる。
暖炉に椅子にテーブル。
そして横にあるクローゼットの扉。
間違いなく夢で見た部屋であった。
「ここだよ、間違いない」
「あのクローゼットの中に、通路があるはずだよ!」
「これか?」
「そう!」
ナルがクローゼットの扉をゆっくりと開けた。
その先には隠された通路がやはりあった。
「「これ!」」
「偉い!結衣、麻衣!」
「……夢の通りなら」
「この先に砂利の道が」
あたし達はゆっくりと通路を歩いていく。
そして扉があたしたちを待ち構えていて、それを開けると大きな空洞があった。
「……なに、これ!?」
天井というよりも床が頭上を塞いでいる。
それを支えるよう根太が複雑に入り組んで凸凹を繰り返していた。
足を踏み入れると、砂利をふむ音が聞こえた。
よく見ると枯れた生垣があり、すぐに夢の中で連れていかれた迷路のような生垣の場所だと気付いた。
「あそこだ……迷路の生垣」
「うん……」
迷路を歩き始める。
しばらく歩いていると、ぼーさんが声を上げた。
「おっ。またドアがある」
「ここが一番大きな空洞のあたりだ。……なるほどな、あの床の不自然な高低はここを覆うためのものだったというわけか」
扉を開けると、そこには階段があった。
見覚えのある階段にあたしと麻衣は顔を見合ってから走り出した。
「結衣、麻衣!」
綾子達の制止する声が聞こえたが、それを無視してあたしたちは一目散に走った。
そして走る先に扉があり、あたしは勢いよくそれを開ける。
「真砂子!」
「真砂子!返事して、真砂子!!」
やはりタイル張りの部屋があった。
あたしと麻衣は真砂子の名前を叫びながら辺りを見渡す。
「真砂子!!あたし、結衣だよ!」
「麻衣だよ!どこにいるの!?真砂──」
隣で麻衣が滑った音が聞こえた。
「麻衣!?大丈夫!?」
「う、うん……」
駆け寄ろうとして、あたしも何かに滑る。
そして何か台のようなものに腕を着いた時にビシャリと音を鳴らして服が濡れる。