第7章 血ぬられた迷宮
中には一つだけ、焼却炉のようなものがありその上には丸くて太い煙突のようなものがある。
「……入ってみよう。結衣と麻衣たちは外で待っていろ」
そうして、男連中だけが中に入っていった。
あたし達女メンバーは赤外線カメラで中の様子を見守ることに。
「……なんだこりゃ。ひでえ臭いだな」
確かに先程から腐敗臭のようなものがする。
外からでも酷いと感じるのだから、中に入っているぼーさんたちはキツイだろう。
「ドアがある」
ナルがそう呟く。
そして彼は扉を開けたのだか、外は完全に煉瓦のようなもので塞がれていた。
「……塞がれてる」
「こっちの窓も外から塞がれてるぜ。それと木箱がえーと……三つ。中に石炭が入ってる」
ぼーさんが懐中電灯を当てて中を調べている時だ。
「……わあ!」
ジョンが悲鳴じみた声をあげた。
「どうした!?」
ジョンとリンさんが焼却炉の蓋を開けていた。
そして中を見たジョンが後退り、リンさんがまじまじと中を見ている。
「おい、ジョン!?」
「中に……」
ぼーさんとナルが駆け寄る。
そして中を見てから、彼らは顔を見合わせていた。
「──おいおい」
暫くしてナルが外に出てくる。
「ナル!ねぇ、いまの声何?どうしたの?」
「なにかあったの?」
「……警察を呼んだ方がいいな」
「警……なんで!?」
「死体がある」
ナルは大橋さんを呼び、応接室で他の人たちも呼んでもらうことにした。
そして応接室に集まったメンバーを見て、あたしはなんとも言えない気分になる。
三人も人が消えたせいで数が少なくなっている。
そう思いながらナルが大橋さんに、先程の件を伝えた。
「……死体……ですか……」
「おそらく、二月に消えた二人のどちからだと思います」
「そうですか……し……しかし、警察を呼ぶ件については、とにかく先生に連絡を取ってみますので……」
大橋さんは慌てたように応接室を出ていく。
確か、内密にことを運びたいということだったから警察を呼んで大騒ぎになるのは避けたいのだろう。
「……あの、それはどこですか?」
暫くして五十嵐先生が恐る恐るとナルに声をかけてきた。
「建物の西のほうです」
「……まあ!」