第6章 禁じられた遊び
あたしの麻衣に対しての感は強いものだ。
(もしかして、ナルたちが何かする前に除霊しに行ったんじゃ!?)
ここから近いのは印刷室である。
あたしは慌てて走り出してから印刷室へと向かった。
きっとぼーさんたちに言えばよかったのだと思う。
だけど、それじゃ間に合わないような気がしてしまい走り出してしまっていた。
「印刷室は……こっち……!」
暫く走っていれば、印刷室の看板が見えた。
そしてよく見慣れた後ろ姿が見えたが、そこからは叫び声が聞こえてくる。
「……や……やだ、こないで。くるなってば!」
「麻衣!!」
「結衣……!?」
あたしは麻衣の腕を引っ張り、印刷室から出した。
そして印刷室の中をみたあたしは目を見開かせ、思わず悲鳴が出そうになる。
白い、人のような何かが此方へと来ている。
そして血のような水が充満していて、鼻につく臭いがした。
(これは、駄目だ……)
これが外に出たら危険だ。
あたしは思わず指を組んでから、言葉を発する。
「……ナウマクサンマンダ バザラダンカン。ナウマクサンマンダ バザラダンカン!!」
ゆらりと人のような白いものが近付いてくる。
「臨 兵 闘 者 皆 陣 烈 在 前!!」
水が飛び散り、人のようなものが倒れる。
だが何体もそれが現れてこちらに近づき、飛び散った水が顔や服に散る。
「…麻衣、逃げて!早く!ぼーさんか誰か呼んできて!!」
これはあたしでは太刀打ちできない。
「結衣……!」
「早く!」
「あ……!」
後ろで声がしたと思った時、背後から手が伸びてきた。
その手に思わず悲鳴をあげた。
「いやあああ!?」
その手はあたしの肩を掴むと後ろへと飛ばした。
「いっ!?」
「結衣!大丈夫!?」
痛さで瞑っていた目を開ければ、そこには麻衣がいた。
そして印刷室の方にはぼーさんの後ろ姿。
「───オン キリキリバザラ バジリホラマンダマンダ ウンハッタ!」
ぼーさんが唱えると印刷室の前に何か結界のようなものが張られた。
「走れ!」
ぼーさんはあたしの腕を掴み立たせると、そのまま走り出した。
そしてあたし達は外へと出たが、そこには綾子達の姿があり安堵する。
校舎から外まで全力疾走したせいで、息が上がっている。