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ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第6章 禁じられた遊び


「あ……霊って普通部外者が来ると一時的に隠れちゃうらしいです。シャイなんですって」

「だから、最初から反応があるような場合は、その霊が強いものらしいです。ナル達によると」

「強い……?」

「仕事にかかろう」


早速お仕事である。
恐らくあたしと麻衣は雑用とか、会議室で待機なのだろう。


「原さん、校内を回って霊のいる場所をチェックしてください。松崎さんは原さんに同行して可能限り除霊を。ここには麻衣と結衣が残ります。こまめに連絡を入れてください。ここの霊は甘く見ないほうがいい。十分に用心を」

「おっけー」

「ぼーさんとジョンは今上がった5ヶ所の除霊をたのむ。終わったら原さんの指示があった場所に向かってくれ」

「うす」

「ハイです」

「ぼくとリンは不透明な場所の調査を続ける。安原さん手伝ってください」


やっぱり安原さんを使うのか……と苦笑する。
確かに安原さん本人が使っていいとは言っていたが、遠慮なく使うところがナルらしい。
なんて思っていれば、ナルの視線がこちらに向いた。


「麻衣、結衣」

「はいっ」

「はいよ!」

「サボって寝るなよ」


言うことはそれだけか。
あたしは恨みを込めた目で見て、麻衣は項垂れていた。
だが前にうたた寝したことがあるので文句は言えない。

そうして、会議室にはあたしと麻衣だけが残った。
あとのメンバーは『行ってきます』なんて言って、除霊や調査へと出かけていった。


「ふああ……」

「ふあ〜……」


双子で交互に欠伸を漏らす。


「眠い……」

「二人で暇だったら眠くなるよねぇ……」


仕事もなければすることが無い。
話をするにも内容も尽きてしまい、眠くなるばかりだ。

ふらりと体が傾く。
慌てて体を起こすけれど、また寝そうになって体が傾く。


「うう!!ナルに怒られるのは嫌だぁ!」

「同じく!!」


二人揃って頬を叩く。
結構強く叩きすぎたのか、頬がひりひりと傷んだ。

痛いなあ。
なんて思った時、いつの間にかあたしは薄暗い廊下に立っていた。


「へ……!?」

「あれ!?」


隣から声がしたと思えば、そこには麻衣がいた。


「あたし達……」

「いつの間にか廊下に……?」


顔を見合せて目を見開かせる。
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