第6章 禁じられた遊び
「誰もが霊ならなんでも知っていると思っているが、本当にそうなんだろうか。もし麻衣が霊になったとして人の未来や心の中がわかる自信があるか?」
その質問に全員が目を見張った。
確かに自分が霊になったとしても、未来や心の中が分かるわけがない。
そう気付いたのだ。
「……ない」
「だろう?ぼくは基本的に霊が人間よりも知っていることは死と死後の世界についてだけだと思っているんだ」
「そっかあ……」
「おりゃー、いっぺんおまえさんの頭ン中見てみたいよ……」
「……それはともかく。数が多すぎて除霊をするにも大本がわからない。全員がそろうのを待って、手当り次第にやってみるしかない」
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ー結衣sideー
外が暗くなり、学校の生徒も帰宅した頃。
リンさんと綾子が緑陵高校に来たのだが、綾子は来て早々にお怒りであった。
「ホテルじゃないーっ!?こっちはわざわざ東京から三時間もかけて来てやったのよ!?調査の間中あの暖房の壊れた宿直室に泊まれっての!!?」
「仕方ないじゃーん」
「綾子うるさい……」
そう、あたし達の泊まる所はホテルではないのだ。
学校側からあたし達が出入りしているのを見られたら嫌だからと、宿直室に泊まるように言ってきた。
だが宿直室は暖房が壊れている。
あたしが確認して告げた時の麻衣とぼーさんの表情ったら、忘れることが出来ないものだった。
「あんたらにゃ分かんないでしょうけどね〜〜そりゃーきっっつい道のりだったわよ。え?」
綾子は怒りで顔を歪ませながら、あたしと麻衣に迫ってきた。
「あのせっんまい空間にリンと二人っきりにされてごらん。三時間!!!」
「いやぁ……そのお気持ちはわかるけどさぁ……?」
確かにあの無口で無表情のリンさんと狭い空間に三時間もいたら、あたしもこうなりそうである。
「わ、わかった、わかったよ。で、でもあたしたちマシなほうだよ。真砂子がきて一部屋に四人だもん」
「男メンバー達なんてさあ、ジョンが来たら一人部屋に男が四人だよ?六畳に。可哀想だわ」
「うえーーーっ」
まだ女同士で狭い空間に泊まるならいい。
だがあっちは男連中なのだから、相当キツイはず。
可哀想にとあたしと麻衣は哀れな目を男メンバー達に向けた。