第6章 禁じられた遊び
「───流行ってるいると言ったね。それはどの程度?」
「……あの……ほんとに学校中。たぶん、やってない人の方がすくないと思う」
ナルは双子に指示を飛ばした。
生徒たちにヲリキリさまをした事があるのが何人いるのか調べてこいというものだった。
双子は手分けしてクラス中を回ることに。
そこで双子は少々げんなりしながらも、合流してから会議室へと戻った。
「「たっだいまー」」
「おかえり。どーだった?」
「いやー凄かったよホント」
「うん、すごかった。やっぱりほとんどの人がやったことあるって」
「やってない人を数えた方が早いよ、もうこれ」
結果は学校の生徒の大半がヲリキリさまをしていた。
それこそ全校生徒を集めて、していない人と聞いた方が早いぐらいである。
「ぼくのほうも同じような結果でしたよ」
声がして振り向けば、そこにはバインダーを手にしている安原の姿だった。
「安原さん、すっかり使われちゃって……」
「ナルがすみません……」
「いいんですよ」
安原までがナルにこき使われていた。
双子はそんな彼に謝罪しながらも、手助けがあるのは本当に助かると思っていた。
「あーもーカンベンしてくれよ!学校中あげてのコックリさんだぜえ!?どんだけの霊がここにいると思うよ!?」
「どんだけ?」
「霊の満員電車ってトコかしら」
「うわあ……それは嫌だね」
双子は想像しただけであおざめた。
「ナルちゃんよー本気でやんのー?やなんだよねー。コックリさんてとんでもねぇ霊を呼びだしてたりするからさー」
「そこをなんとかお願いしま……」
「そーだっ。除霊のやり方教えるから君がやれ!」
嫌がる法生にお願いしようとした安原は、彼に肩を掴まれてとんでもないお願いをされてしまった。
「そーだ、そうしよう。そりゃいーわ!」
「「……ぼーさん」」
双子は法生を殴り飛ばした。
なんてことを依頼人に頼んでいるんだと、二人が怒りの形相を浮かべる。
「だってー!んじゃ、おまえら松山態度見てやる気でるかー?」
「……それは」
「すみません。松山先生はああいうやつなんです」
「え?」
「生徒たちもね、あいつに関しては匙を投げてるんですよ。人の意見なんか聞く奴じゃないですから。こっちが大人になって我慢してやらないと」