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ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第1章 悪霊がいっぱい!?


「……谷山さんたち。あの人に紹介してくれない?」

「はあ!?」

「黒田さんを!?」

「ホラ、あたしにも霊能力があるじゃない?なにか手伝えるかもしれないわ」


まさかの黒田さんの発言にミチル達は不満げにしていた。
何せ昨日はあんなにナルに厳しく接していたのだから。


(一瞬、ナルちゃんの顔の良さで紹介してくれって事かと思ったけど)


どうやらナルちゃんがゴーストハンターと知ったかららしい。


「ん〜別に紹介してもいいけど、辞めておいた方がいいと思うよ?ね、麻衣」

「うん、結衣の言う通りだよ。あんましあいつとは関わらない方がいいんじゃないかなぁ。素人と話すのきらいだっていってたし」

「わたし、あなた達ほど素人じゃないわよ」

「いや、まぁ……そうかもしんないけどさぁ」

「ナルちゃんはプロだから、ちゃんと事務所も持ってるし」

「だからナルちゃんに紹介しても『必要ない』って言われそう」


容易く想像出来てしまう。
紹介しても『必要ない、お帰りください』と言うナルちゃんの姿が。
なんて思っていれば、ミチル達があたしと麻衣に詰め寄ってくる。


「ちょっと、麻衣っ、結衣っ!ナルちゃんってなによ!」

「え!?」

「えっ、いや、だって。すっげナルシストなんだもん、アイツ。で、ナルシストのナルちゃん。おまけにムチャクチャ性格悪いよ〜。ねえ、結衣」

「そうそう。百年の恋も冷めちゃうほどだよ」

「だから中途ハンパなこというとイジメられ……」


麻衣はそう言いながら黒田さんの方を向けば、彼女は自分の席で教科書か本を読み始めていた。
その様子にあたしと麻衣はキョトンとしてしまう。


「アイツ、あんなヤツなのよ。中等部のころから有名だったんだ。アブナイって」

「ああ、黒田さんも恵子たちと同じ内進組だっけ」


あたしと麻衣が通っている高校は、エスカレーター式だ。
中等部や高等部があるが、あたしと麻衣は高校からこちらに通っている組である。


「そ。霊感があるとかいっちゃってさ、バッカじゃないの」

「ふうん……」

「中等部から……」


本当に霊感があるんだろうか。
なんて思っていれば、恵子達はコソコソと黒田さんをチラッと見ながら話し始める。


「ねね。もしかしてさあ、アイツ渋谷さんに一目ボレとかだったりして!」
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