第3章 公園の怪談!?
「お元気少女結衣ちゃんと麻衣ちゃんに、落ち込まれてるのたまんねえからな。イッパツ景気いいの見てスカッとしよーぜ。青島刑事でも見に行くか?」
なんて言いながら法生はまず麻衣の頬を引っ張り、そして次に結衣の頬を引っ張る。
(ぼーさん、やっぱり優しいなあ)
初めて会った時は、性格が嫌だと感じていた。
だがなんだかんだと、彼は面倒見が良くて双子を気にかけてくれる。
そんな法生を結衣はどんどん好きになっていた。
引っ張られた頬を擦りながら、法生の背中を見つめた時である。
麻衣が勢いよく法生の背中に突っ込んだ。
「ぼーさんっ、大好きー!」
まさかの行動に結衣は目を見張る。
双子の妹は、単純に喜んでいてそして法生を異性として見ていないけれど、あの言葉を伝えたとわかっている。
だが思わずモヤッとしてしまったのだ。
(あれ、あたし……麻衣にヤキモチ妬いてる?)
大好きな妹に嫌な感情を覚えてしまった。
その事に結衣は軽くショックを受けてしまっていた。
落ち込むように俯いていれば、それに法生が気付き彼女の頭を撫でる。
「どーした?結衣。また元気なくしてんじゃねぇか」
「え、あ、……なんでもないよ?」
「ホントか?具合悪いとかは?」
「ないない!ちょっと考え事してただけ!心配してくれて、ありがとね!」
結衣は法生に心配かけまいと、にっこりと微笑んだ。
その笑顔は嘘でもなく作り物でもないと法生は気付き、薄く微笑む。
「そ、ならいいけどよ。おれは結衣の笑ってる顔好きだから、笑える時は笑ってろよ」
優しく撫でる法生の手と、その言葉に結衣はほんのりと頬を桃色に染めた。
そして口をモゴモゴさせながらも、言葉にする。
「あたしも、ぼーさんの笑ってる顔好きだよ」
「ん、ありがとよ」
そんな2人の様子を見ていた綾子は、何処か呆れたような表情を浮かべていた。
「あんたがロリコンだとは知らなかったわ」
「なんとでもおっしゃい!おデートの相手もいないくせに」
「なあんですって!」
法生の言葉に綾子は憤慨し、隣にいたジョンの腕を掴んで立たせた。