第3章 公園の怪談!?
法生の質問に双子は揃って首を傾げる。
「「……そうだよ」」
「オーナーとかいないのか?」
「いないよ、なんで?」
「なんで、そんなこと聞くの?」
「おまえらな、ここの家賃いくらすると思う?」
そう聞かれて、結衣は考え込む。
東京は家賃が高いが、場所によってはとてつもない場所もあると。
「そうよねー。仮にも渋谷でしょ?ビルも新しいし、この広さだし」
「おまけにあの機材だ。好感度カメラ一台の値段は?」
そう言われて、双子は嫌な事を思い出した。
カメラを壊してしまった時、ナルはとんでもない金額を言っていたことを。
そんな時、ジョンがとんでもない発言をした。
「パトロンでもいるのとちがいますか?」
双子は顔を真っ赤にさせ、法生はソファから転げ落ちる。
唯一綾子だけが、なんとか冷静になっていた。
「おまえな……」
「けど、欧米やったらようあることです。超心理学ゆうのはまだ理解されない学問ですから、どこの研究所も後援者がいるのがふつうやし、大きな財団が後援してるとこかてあります。博士号や教授職を作ってる財団かて」
「……ジョン。日本でパトロンつったらすこーし意味が違うんだわ。おぼえといて」
法生はジョンの肩をポンと叩く。
そして双子たちはようやく赤面から元の顔色に戻り、結衣は何度か咳払いをする。
「しかし、そのセンは悪くないな。後援者がいたとして、それが真砂子の父親とか」
「あー、そのセンはありそうだね」
「うん。だったら真砂子のさそいことわれないもんね」
「ナルが、じつはおぼっちゃまってこともあるわよ」
全員が悩む。
実際、ナルはその正体が意外と謎多き人物である。
お坊ちゃまなのか、はたまた真砂子の親族が後援者なのか。
それは未だに全員謎のままだ。
「ま、いっか。おい、結衣、麻衣。まだ仕事あんの?」
「ん?んーん、きょうはとくになにも」
「雑務ぐらい?まあ、滅多にお客さんこないから毎日暇だし」
「んじゃ、映画でもいくか。おごってやるよ」
「「ほんとーっ!?」」
法生の言葉に双子が喜ぶ。
麻衣は単純に奢ってもらえるのに喜んでいたが、結衣は初めての法生との映画に喜んでいた。