第3章 公園の怪談!?
「うん。あたしも結衣と同じでイマイチなっとくできない」
「なんでよ」
綾子は不思議そうに問う。
そんな綾子に双子は不貞腐れているかのような、幼子が怒っているかのような表情を浮かべた。
「相手の男の人はけっきょくなにも知らないままじゃない。あんなヒドイことしてなんのバツも受けないなんて、ズルイ」
「相手の男の人は、何かしらのバツは受けるべきだと思う。何もなく、いまもその二股の相手と一緒にいると思ったらすごくすごく腹が立つ。ズルイよ、相手の人」
「まあねえ」
「んなことないぞ。いますぐでもなくても、そのうちしっぺ返しがくるって。因果応報っていうだろう」
「「うー」」
法生が宥めるように言うが、双子はイマイチ納得出来てないような反応を見せた。
そんな双子にジョンが幼子に言い聞かせるように、優しく言葉を発する。
「その女の人にも、結衣さんと麻衣さんのやさしいキモチ通じてはりますやろ。あんまり気にしはるとかえってよくないと思います」
「うん」
「そーだね…」
「そーよ。本人がなっとくして成仏したんだからいいじゃない」
「「そうかなあ」」
「おまえはいいな。作りがカンタンで」
「ちょっと、どーゆーイミ!?」
法生の言葉に、またもや綾子が騒ぎながら言い返す。
お馴染みの光景に結衣はモヤモヤしていた気持ちから、少しだけ元気になっていた。
そんな時である。
事務所の扉が開き、ドアベルが鳴ったので全員がそちらへと視線を向けた。
そこにいたのは真砂子である。
「あれ、真砂子だ。先日ぶり〜」
「あら、みなさん。おいででしたの。ナルはいます?」
「また仕事の話?」
「いいえ。お茶におさそいしようと思って」
真砂子の言葉に、綾子は笑い飛ばしたが麻衣は引き攣った表情に変わって結衣は何とも言えない表情になる。
先日の件の時、真砂子の依頼は断ると思っていたがナルはそれを引き受けた。
何故か真砂子のお願いは最終的には断らなかったのだ。
(お茶、行く可能性がゼロじゃない……)
結衣はチラリと麻衣を見てから、何とも言えない表情で顔を俯かせた。
「ムリよムリ!いくわけないじゃない、あのナルが!」