第3章 公園の怪談!?
霊の言葉に、双子が反応して叫んだ。
その表情は苦しげな悲しげなものであり、霊は思わず目を見開かせてしまう。
「く、くやしいからって、その人のせいでほかの人たちに悪いことしたら、それで恨まれるのはあなたじゃないの?」
「そうだよ。恨まれたりしたら、そんなのあなたばかり損しちゃうよ!そんなのヘンでしょ!?」
「そ、そう。ヘンだよ!だ、だからってどうすればいいとはわかんないけど。だから無責任だけど、でも、うらんだりうらまれたりそんなの……」
双子の記憶にあるのは、夏の森下家の事件のこと。
あの霊は子供を奪われたことにより、何もかも恨んで、ああなってしまった。
そんなこと、この女性も同じようになってほしくない。
結衣と麻衣は苦しげにしながらも、彼女を見つめる。
そんな双子にナルは溜息を吐き出しながら、言葉を発した。
「…あなただって、いまの状態がいいものだとは思ってないはずです」
「そうそう。いつまでもそんなことしてると、地縛霊になっちゃうぞ。ちゃっちゃか成仏したほうが幸せだと思うなー」
双子の言葉にナルの言葉、そして法生の言葉。
四人の言葉に女性は瞬きをした。
「……あなたたち、心霊オタク〜〜?」
身体は霊媒師、そして坊主に心霊科学者にそのバイト2名。
傍から見れば心霊オタクに見えるのかもしれない。
その事実に双子はなんとも言えない表情になってしまった。
「……そうねえ、ソンかもしれないわねえ……。なんだか、目からウロコが落ちたようよ〜〜」
女性は双子に拝むようにした。
そしてにっこりと小さく微笑んだ。
「……ありがとう〜〜。話を聞いてもらえて、なんだからサッパリしたわ〜〜」
そういうなり、女性の霊はあっさりと浄霊された。
暫くすると真砂子は正気に戻ったが、憑依されていた間の記憶はすっぽりと抜けていたようだ。
それから数日。
事務所には、綾子とジョンそして法生の姿があった。
彼らはのほほんとお茶をしながら、先日の事件についての話を聞いていた。
「へー。そんな事件があったの」
「ぶじに解決してようおましたね」
「まあ、今回は結衣と麻衣のお手柄ってトコかな」
法生の言葉に、双子はイマイチな表情になった。
「お手柄って言っていいのかなぁ。なんかイマイチ納得出来なかったけど」