第3章 公園の怪談!?
「そ〜〜よ〜〜。カゼひてい肺炎でもおこして苦しむがいいわ〜〜」
「なぜ、そんなことを?」
双子と法生が唖然としてる中、ナルだけは冷静に淡々とした口調で真砂子に憑依している何かに尋ねる。
口調からして女性なのだろうという事は分かった。
「ハラが立つのよ、ハラが立つのよ。イチャイチャイチャイチャしちゃってええ〜〜。あたしはこんなに、こんなにツライのに〜〜」
「……なにがそんなにツライのか話してみてくれないかなー」
「話してくれたら、なにか助けになるかも〜なんちゃって」
見た目が真砂子、中身が真砂子じゃないなにか。
そのアンバランス差に双子は困りながらも、その女性の霊に話しかけてみる。
「話すわよ、話してやるわよ。あたしはね、付き合った男に捨てられたのよ。捨てられて死んだのよ。ぶざまでしょう、おかしいでしょう、笑うがいいわ〜〜!」
なんとも言えない人。
結衣は笑っていいのだろうか……と困った表情を浮かべながら、隣にいる法生へと視線を向ける。
法生も困ったようにしながらも、何処か面白げに笑っていた。
そしてボソリと呟く。
「……ユカイな人だ……」
「体が真砂子だけに、よけい笑えるよね」
「ホント、笑えるよね……」
「笑ったわねぇ〜〜」
笑えと言ったのに、笑ったら恨みが籠ったような瞳で睨まれてしまった。
双子と法生はそれに困ったようにしながらも、笑うのを必死に止める。
もしまた笑えば、それこそ何をされるか分からない。
結衣は口を噛みながら、真砂子のナカにいる幽霊が怒らないようにと願った。
「こうなったら、きくも涙。語るも涙のこの恋の結末をきかせてやるわ〜〜」
そう……あの人とはじめて会ったのはこの公園。
女性が生きている時、その男性に落としたネギを拾ってもらったのが始まり。
そう幽霊は語る。
「運命の出会いだったわ〜」
「ネギ……」
「それからあたしたちは、よくここでデートしたのよ。それはそれは、周囲もうらやむ仲睦まじさ〜〜。なのにっ!!あいつは、あいつは二股かけてやがったのよう〜〜。そして半年前のこと〜〜」
彼女は恋人が二股かけていた女と会っているとこに遭遇してしまったのである。
この公園で、相手の女が腕を組んでいるところに。