第3章 公園の怪談!?
「ということは、ここなら確実におこるということか。……地縛霊かな」
ファイル片手に思案するナル。
そんな時、真砂子が目を見開かせて声を張る。
彼女の視線は結衣と法生と麻衣の元へと向いていた。
「……ナル!出ますわ、あちらです!」
その頃、双子と法生はのほほんと会話をしていた。
麻衣はクラスメイトの友人との会話を話していて、残り二人はその話にケラケラと笑う。
「──でね!恵子がナルの写真撮ってきてっていうから、『心霊写真になっちゃうかもよ』って」
「いーじゃん!サイッコーに怖えの撮れっかもよ!」
「しかも恵子たち、それでも良い!なんて言ってたよね!」
爆笑している三人の上にポツっと雫のような物が落ちた。
笑いの余韻を引き摺っている二人を見ながら、結衣は上を見上げる。
「あれ?」
「雨……」
その時、三人の頭上に勢いよく水が降ってきた。
「は!?」
その様子を見ていた真砂子は、冷や汗のようなものを浮かべながらナルに話す。
「……いますわ、麻衣たちのうしろ。女性の霊です、まだ若い……20代前半ぐらいの……」
「原さん?」
真砂子はそれだけを言うと、その場に崩れ落ちてしまう。
そんな彼女たちに気付いていない結衣たちは、とつぜん降ってきた水に驚愕していた。
麻衣は被っていた帽子がビショビショになっていて、結衣や法生は髪の毛がびしょ濡れになっていた。
「……なにが水フーセンだよ。バケツなみじゃねぇか!」
「ビショビショじゃん!」
「原さん!」
ナルの声に、ようやく三人は異変に気付いた。
声がした方に視線を向ければ、真砂子が蹲っている姿があり慌てて結衣たちは駆け寄る。
「真砂子!?」
「どうした!?」
「わからない。急に倒れた」
もしかしたら急に具合が悪くなったのかもしれない。
結衣は救急車を呼ぶべきだろうか……と、辺りを見渡した時である。
「──ふ、ふふふふ。い〜い〜気〜味〜だ〜わ〜〜」
真砂子が気色悪い笑いをしなが、ゆらりと立ち上がったのである。
そんな彼女の様子に双子は思わず引いてしまう。
「ま、まさこ……?」
「憑依されたな、ちょうどいい。このまま話を聞こう。あなたがここにきた人たちに水を降らせた犯人ですか?」