第3章 公園の怪談!?
来たかと思えばナル。
麻衣は額に怒りのマークを浮かべ、結衣は苦笑を浮かべながら明後日の方向を向いた。
「……ナルなら所長室だけど」
「呼んでいただけます?」
この少女の名は原真砂子。
有名な霊媒師であり、テレビなどによく出演している美少女であり、たまにSPRに協力してくれている人物。
そしてナルが好きであり、麻衣のライバルである。
「あいにく、所長は仕事中ですので」
「あら。あたくし、きょうは仕事の依頼でまいりましたのよ」
にっこりと微笑む真砂子。
そんな彼女に麻衣はキョトンとし、結衣は取り敢えず……と所長室にいるナルを呼んだ。
「──それで?どういったご依頼ですか」
呼ばれたナルの機嫌はとても悪かった。
だが、話を聞く気はあるようで、嫌々そうにソファに腰掛けている。
「ええ。じつは知り合いのテレビ局の方がほんとうの依頼主なんですの。ドラマの撮影をある公園でしているのですけど、妙な事件……というか、現象のせいで撮影がすすまなくて困ってるそうですの」
「妙な現象?」
「ええ。とつぜん水が降ってくるのだそうですわ」
真砂子の言葉に、双子たちは首を同時に傾げた。
「水が降ってくる?」
「雨じゃないの?」
「いいえ。その方がおっしゃるには──」
まるで水風船が破裂したみたいに、頭の上のへんからいきなりバシャッとね
それがスタッフはなんともなくて、被害にあうのがメインの役者さんばっかでねぇ
「それで調べてみたら、その公園ではここ半年ほどの間に何件も同じようなことがおきてるそうですの」
「たんなるイタズラでは?」
「地元の警察でもそう思って警戒しているそうですの。でも、たとえばなにかを水の入ったものを投げつけたとしたら、なにかしら証拠になるものが残りますでしょ?そういうものがないうえ、周囲を捜しても犯人らしい人も見つからないし……」
「近くにいるとはかぎりませんよ」
「あたくしもそう申しましたわ」
そういうんじゃないんだよ
とにかく、とつぜんそこに水がわいたって感じでねぇ
みんなきっとこりゃ、なにかあるんじゃないかってさ
真砂子が言うには、どうにかしてほしいと頼まれたらしい。