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ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第1章 悪霊がいっぱい!?


「〇〇〇〇万!?カメラで!?」

「なんでカメラがそんなにすんの!?」

「ドイツ製の特注品。保証書を見せようか?」


特注品のカメラとしても、そんな金額がするなんて思ってもいなかった。
結衣と麻衣は真っ青な顔なまま、ずっと先程言われた金額が脳内でグルグルと回っていた。


「それがいやなら」

「「なんですかっ!?」」

「助手の代理をしてくれないか」

「……それってあたし達が渋谷さんの助手になるってイミ?」

「あたしと麻衣が?」

「そう聞こえなかったか?」


助手をしてほしいと言われるとは思っていなかった。
だが、それでカメラの弁償を無しにしてくれるのならば、それはそれで助かる。


(だけど、なんか嫌だなぁ!!この人おっかない!というかあたしと麻衣だけが悪いのか!?)


「いやならけっこう。ただしカメラの弁償はきっちりとしても」

「「やらせてください!ぜひ!」」


双子が声を揃えて叫ぶと、渋谷はニヤッと笑う。
まるで自分の思惑通り動いてくれた……と言わんばかりである。


「〜〜それで?渋谷さんてなにをしてるんですかっ!?」

「所長っていうことは、なにかされている方なんですよね!?」

「……ゴーストハント」

「……ごーすとはんと?」

「直訳すれば幽霊退治……かな。校長の依頼で旧校舎の調査に来た『渋谷サイキック・リサーチ』の者だ」

「『さいきっく・りさーち』って?」

「それどういうイミ?」


双子が『訳が分からない』という顔で聞けば、渋谷はイヤそうな表情を浮かべた。


「2人とも英語の授業を受けてないのか?頭の悪そうな発音だな」


イラッと来た結衣は、心の底から渋谷を殴りたいと思ってしまった。


「心霊現象の調査事務所。その僕は所長」

「心霊現象の調査事務所!?」

「うるさい。取り敢えず、外で話をするぞ」

「う、うるさいだと……!?」


思わず結衣は蹴りたくなり、足を上げたが後ろから麻衣に止められた。
そして怒りを顕にしながらも、三人は校舎を出て、敷地内にあるベンチの所へと向かった。
渋谷はベンチに腰掛けながら、ここに来た経緯を話し出した。


「1週間まえ、ここの校長が依頼に来たんだ。取り壊し工事をしようとすると事故が起こる旧校舎を調査してほしいと」
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