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ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第1章 悪霊がいっぱい!?


聞いておきながら、渋谷は興味なさげにしている。
じゃあなぜ聞いたんだと二人はイラッとしながら、渋谷の後を追いかけていく。


「彼女はクラスメイトか?」

「彼女って、黒田さんのこと?」

「ああ」

「あたしがクラスメイトだけど……あたしも今日初めて喋ったけど、なんかアブナイ人だなー」

「……本当に霊能者かな」

「本人がいうんだしそうなんでしょ?ところで今朝の人だいじょうぶでしたか?」

「あ!ちゃんと病院行けました?」


2人がそう訊ねると、渋谷は表情を変えずにこちらを振り返った。


「それなんだが、左足を捻挫した。かなりひどい状態でしばらく立てそうにない」

「そ、そうだったんですか……捻挫……」

「それはどうも申し訳……あのう……どういったお知り合いで」

「助手」

「じょ、助手……」

「はあ……でもあたし達だけのせいじゃありません。御主人さまが驚かすから……」

「逆。主人は僕、彼が助手だ」


結衣と麻衣は目を丸くして驚いた。
まさかのこの10代の少年が主人だなんて思いもしなかったのだから。


「その助手が動けなくて困っている。君たちに責任があると思うが、谷山さんたち?」

「あたし達に責任!?」

「ちょっ……まってよ!あたし達だって被害者なんだからね!死ぬほど驚いてオマケに遅刻……」


そうだ、こちら側は驚かされたのだ。
責任だと言われて困ると、結衣と麻衣は渋谷に訴えようとしたが、言葉を遮られた。


「彼はけがをした……君たちは?」

「う……」

「カメラも壊れた」

「あう……」

「リンは……彼は君たちがカメラに触っていたので止めようとしたんだ。その結果があれだ」


みるみると二人の表情は真っ青になっていく。


「弁償してもらってもいいんだが」

「弁償!?あ、あたしたちが!?わざとじゃないのに!?」

「そ、そうだよ!わざとじゃ……だってフツーあんなとこにカメラなんてないもんっ。だから、つい……」

「つい……」


2人は言葉を続けようとしたが、渋谷から発される気迫に負けてしまった。


「ちなみに……お、おいくらで……」

「日本円で約〇〇〇〇万」


まさかの金額に2人はふらりと倒れそうになった。
そんな金額とてもではないが払えるわけが無い。
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