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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第10章 ハロウィンの大惨事



それから一週間ほどが経った。まだ気味悪がられることはあったが『悪魔』と呼ばれることは日に日に減っていった。

どうやら、フレッドとジョージが周囲に牽制して回っているらしい。
廊下で会うと、チユ挟んで2人が歩き、周りに威圧感を与えている。それのおかげで嫌な思いをすること減り、1人でも眠れるようになった。

夜の静けさが以前よりも心地よく感じられるようになったのは、間違いなく2人のおかげだった。


ロンには、「厄介な奴らに気に入られたな」と苦笑いされるが……。


ある日、いつも通りロンとハリーと3人で朝食を摂っていると、然梟の群れが細長い包みを抱えてハリーの元にやってきた。
梟たちが羽ばたく音が、食堂のざわつきの中で一瞬静まり返る。ハリーはその包みを受け取ると、驚いたように眉をひそめ、チユにそれを手渡した。

「ねぇ、見てよ、チユ」


ハリーの声には、興奮と好奇心が混じっていた。
チユは目を輝かせながらその手紙を受け取った


――――――――――――――――――――――――
「貴方が箒を持ったと分かると、皆が欲しがるので包みをここで開けないように。中身はニンバス2000です。

今夜7時、競技場でウッドが待っています。」

M・マグゴナガル教授
――――――――――――――――――――――――

「やったな、ハリー! ニンバス2000なんて僕、触ったことすらないよ!」ロンが声を弾ませる。

「ニンバス2000?」

「それってすごいの?」


ロンの興奮した様子に、ハリーとチユは少し戸惑いながら顔を見合わせた。


「ああ、すごいよ! 最高速の箒だ!」


クィディッチや箒にはあまり興味がなかったが「最高速」と聞けば話は別だ。3人は1限目が始まる前に、その箒を見に行こうと急いで大広間を出た。


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