第10章 ハロウィンの大惨事
チユは着替えを終え、談話室へと下りていった。
そこにはハリーとロンの姿があり、2人とも無傷のようだった。
きっと決闘に勝ったんだ!とチユ急いで駆け寄る
「おはよう、2人とも!」
「おはようチユ、今日は顔色がいいね」とハリーが笑顔で返す。
「昨日はよく眠れたの、そんなことより決闘の結果はどうだったの?」
2人は顔を見合わせてニヤニヤとした笑みを浮かべ、早く話したくてうずうずしている様子だ。
それから、談話室に人が少なくなるのを見計らい、昨日の出来事を話し始めた。
まず、グレンジャーがうるさくついてきたこと、そしてマルフォイが決闘には現れなかったこと。さらに、フィルチに見つかりそうになり、慌てて逃げた結果、入学式の日に「決して近づくな」と言われた『禁じられた廊下』に迷い込んでしまったという。そしてその廊下には、なんと頭が3つある怪物犬がいたというのだ。
「それ、何かを守ってるらしいんだよ」とハリーが続ける。
「えぇ!そんなすごいことになってたの!?やっぱり私も行けばよかった…」
チユは興奮気味に言ったが、すぐに冷静になり、思い直した。
「兄貴たちの約束をすっぽかしでもしたら、僕たちよりもっと怖い目にあうことになるよ」とロンが少し真面目な顔で警告する。
「最初は私もそう思ってたけど、ロンのお兄さんたちって案外優しい人たちなんだね」とチユは微笑みながら答える。
ロンは驚きと疑念を交えた顔で言った。「君、何か変な薬でも飲まされたのか?」