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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第9章 眠れないお姫様



それにしても、こんな顔を見せるジョージは、フレッドですら驚くほどだ。産まれてからずっと一緒にいるのに、彼のこんな表情は初めて見る。


「おや?」フレッドが急に身を起こし、双子の片方を興味深そうに観察し始めた。
「これはどういうことだ、ジョージ・ウィーズリー?まさかお前...」


「うるさいな」


ジョージの頬に赤みが差し、フレッドに向かって枕を投げた。


「お前だって同じだろ?」

「まあな」フレッドは意外と素直に認め、少し照れたように髪をかき上げた。


「『選べ!どっちのウィーズリーショー』でもやるか?」
ジョージが提案すると、2人は顔を見合わせて静かに笑った。

「まずは扉のネームプレートにチユの名前を追加するか」フレッドがいたずらっぽく目を輝かせた。


「"チユ・ウィーズリー"ってな。どっちのウィーズリーかは後で決めるとして」

「それは良い考えだ...でも、彼女が選ぶとしたら、当然俺の方だね」ジョージは自信たっぷりに胸を張った。


「夢でも見てろよ、弟よ」フレッドは挑戦的に眉を上げた。


2人はしばらく小声で冗談を言い合いながら、チユを起こさないように静かにしていたが、その視線には今までにない優しさと、心の奥底にある特別な感情が混ざり合っていた。


いつもの悪戯心と共に、初めて芽生えた恋心を、双子はそれぞれの方法で大切に育んでいた。​​​​​​​​​​​​​​​​


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