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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第8章 翼を得た少女




「全く、ここじゃ落ち着いて食べる事もできないんですかね?」

ロンは愚痴をこぼしながらパイを口に押し込んだが、その言葉をグレンジャーはまったく無視して、ハリーに話しかけた。


「聞くつもりはなかったんだけど、あなた達の会話が聞こえちゃったの。」


「聞くつもりが無いなら、耳を塞いでいたら?」」


チユが小声で呟いたが、ハーマイオニーはまたもやそれを無視した。まるで、ハリーしか見えていないかのように。


「夜、校内をウロウロしてはいけないわよ。もし捕まったら、グリフィンドールがどれだけ減点されるか、考えたことある?本当に、自分勝手なんだから」


「大きなお世話だよ」


ハリーが軽く言い返すと、すかさずロンが「バイバイ」と余裕を見せながら付け加えトドメを刺した。
すぐに席を立ち、さっさとその場を去ろうとする。

その後ろで、チユはわざと大きく息をついて、からかうように言った。


「素直に従うほど私たちお利口さんじゃないもんね」


その言葉に、ロンが振り返りながらニヤリと笑う。



グレンジャーが言うことは、確かに正しい。
しかし、なぜか彼女が言うと、いつも苛立ってしてしまうのはなぜだろうか。


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