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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第7章 打ちひしがれた願い



朝食を終え、授業の時間になった。


配られた時間割を見ると、初めの授業はマクゴナガル先生の『変身術』だった。

あの厳格そうな雰囲気はどうも苦手だ。
髪をきっちりと結い上げ、隙のない姿はどこか、孤児院の院長だったグリス・ブリンドを思い出させる。
すべてが冷徹で、叱られ続けた記憶が頭をよぎった。


「記念すべき一発目の授業で叱られることにならないといいけど…」と、チユが肩をすくめた。

「フレッドとジョージによると、問題を間違えるとペンをカエルに変えられるんだってさ」ロンが不安気に話した。


そんな事態になったらどうしよう、と心の中で不安を抱えながら、ハリー、ロン、そしてチユの3人は教室に向かって歩き出した。


授業が始まり、マクゴナガル先生が複雑な内容を次々に書き込んでいく、その細かい文字を見つめながら、チユは頭を悩ませていた。

魔法の仕組みや理論は、まるで別の言語のように感じて、ただただ目の前の板書を追うことしかできなかった。


しかし、杖を使ってマッチ棒を針に変えるという課題が出されると、チユは驚くほど早くマッチ棒を針に変えることに成功した。
すぐにグレンジャーも続き、2人とも、マクゴナガル先生に褒められた。


その後の『呪文学』の授業でも、チユとグレンジャーだけが呪文を成功させ、寮に加点がもらえることになった。
グレンジャーは顔を輝かせて嬉しそうだったが、チユは全くそのことに興味を示さなかった。

「寮杯なんて、どうでもいいのに…」と、気持ちを飲み込んで顔をしかめる。
誇らしげな笑みを浮かべているグレンジャーの姿を見て、苛立ちすら感じてしまった。

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