第6章 黄金のグリフィン
視線をテーブルに戻すと、驚いたことに、お皿の上にはいつの間にか美味しそうなご馳走が山のように並べられていた。
ロンは興奮した声を上げると、まるでこれまで何も食べていなかったかのように次々と料理を口に運んでいく。頬を膨らませる姿は、まさに赤毛のハムスターだ。
ハリーはロンに食べ尽くされるまいと、慌てて自分の皿にご馳走を乗せると、負けじと頬張った。
一方、チユは圧倒されながらも、控えめにローストビーフを一切れだけ取った。
この数ヶ月の間にリーマスからテーブルマナーを教わっていたおかげで、ナイフとフォークを使うのはもうお手の物だ。
「なんだいそのちっぽけな量は?小鳥の餌か?」
「こりゃ見てられないぜ、フレッド」
「そうだな、ジョージ。スネイプでさえ、もっと食べるってのに!」
双子がケラケラと笑いながら次々とチユの皿に料理を盛っていく。
あっという間に、小さな皿は山盛りになってしまった。
「あ、ありがとう...」
チユは困ったように微笑んだ。長旅で疲れている上に、緊張で胃が締め付けられているのに、この量をどう平らげればいいのか...。
チユが頭を抱えていると、突如として、銀色に輝く人影が食卓を通り抜けた。
「新入生の皆様、ホグワーツへようこそ!」
優雅な声が響く。「私はグリフィンドール寮付きの幽霊、サー・ニコラス・ド・ミムジー・ポーピントンと申します」
「わっ!知ってる!」
ロンが興奮して叫び、口の中の食べ物を飛ばしながら続けた。
「ほとんど首なしニックだろ!」