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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第6章 黄金のグリフィン



「どうやって寮を決めるんだろうね?」


チユはリーマスからホグワーツの話は色々聞いていたが、組み分けの儀式については一切触れていなかった。

「僕がフレッドから聞いた話だと、すごく痛い試験みたいなのがあるって言ってた。いつもの冗談だと良いけど…」


ロンは少し眉をひそめて、それが冗談だと信じたい様子だったが、その言葉が気になったのか、ハリーは顔を真っ青にして慌てだした。

「えっ、試験!? 僕、全然勉強してないよ…!」


ロンはきっと自分はグリフィンドールだろうと言ったが試験が不安の様でおろおろしているし、ハリーは試験もだが組分け自体が不安で仕方ないようだ。
そして、チユも「もし、どの寮にも組み分けされなかったらどうしよう…」と心の中で思いながら、3人は頭を抱えだした。


勇気、胆力、気力、騎士道精神。正義感のあるグリフィンドール。第1希望の寮だが、ダメだ…全然当てはまらない。

勤勉、献身、忍耐力、公正さを重視するハッフルパフ。これは1番違う。

知性、機知、智慧を重視するレイブンクロー。
まず、言葉の意味がわからない。

残るはスリザリンだが、マルフォイはきっとスリザリンに組み分けされるだろうからスリザリンも出来れば行きたくない。


その瞬間、チユは思わず大きなため息をついた。


「うーん、なんか色々考えすぎちゃうな…」と呟きながら、ふと視線を部屋の扉に移すと、透き通った身体をした20人くらいのゴーストが壁を通り抜けていくのを目撃した。


「な、なにあれ!?」


驚いたチユは思わず声を上げると、ロンがくすくすと笑いながら答えた。
「ゴーストだよ」


そうかこれがゴーストか、墓地でしばらく暮らしたというのに本物は初めて見た…とチユは口をポカンと開けた。


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