第5章 ホグワーツ特急での出会い
扉を開けると、グレンジャーの姿はもうなく、疲れきった顔をしたハリーとロンがぐったりと座っていた。
「嵐みたいな奴だったよ」とロンが肩をすくめながら言った。
「言いたいことだけ言って、さっさと出ていったよ。僕、あの子と違う寮ならどこでもいいや」と、ハリーがため息混じりに言った。
「同感だね」チユが応じると、ロンも同じようにうんうんと頷いた。
その後、3人で再び談笑していると、コンパートメントの扉が再び開かれた。絶え間ない訪問者たちに嫌気が差したチユは、深いため息をついて窓の外を向いた。
もうすでに疲れているのに、ホグワーツに到着するまで面倒なことには巻き込まれたくなかった。
反射する窓ガラスの向こうに現れたのは、体格のいい二人の少年を連れた、プラチナブロンドの髪と青白い顔をした少年だった。3人とも、性格の悪さが顔に滲み出ているような、嫌な雰囲気を漂わせていた。
(人を見た目で判断しちゃいけないよ)
そう頭の中のリーマスが言った。
「本当かい?ハリー・ポッターがいるって、汽車の中じゃその話で持ちきりなんだよ。それじゃ、君なのか?」
「そうだよ」
ハリーが素っ気なく答えた。
「こいつはクラッブで、こっちがゴイルさ。そして、僕がマルフォイだ。ドラコ・マルフォイ。」
その言葉に、ロンがクスクスと笑いを抑えきれずに軽く咳払いをした。マルフォイはその笑いをすぐに見逃さなかった。
「僕の名前がおかしいかい?君の名前なんて聞く必要もないな、ウィーズリー。貧乏赤毛のコソコイタチめ」
チユは心の中で呟いた。リーマス、やっぱりこいつはどうしようもなく性格が悪いみたいだ。