第4章 赤毛の大家族
「そういえば君の瞳って、変わった色をしてるよね」
ロンがふと、無邪気に言った。
その一言に、チユの顔は引き攣った。
やはり、気味悪がられるのだろうか…と心の中で身構えていると、ロンはそのまま続けた。
「凄くかっこいいよ」
チユは目を見開き、しばらくロンを見つめた。
その言葉は予想外だった。
ロンが真剣な表情でそう言うので、思わず口元が緩み、声を上げて笑った。
「はは、かっこいいだなんて、初めて言われた。」
心の中で、少し照れくさい気持ちと、何とも言えない嬉しさが込み上げてきた。
ウィーズリー家の誰も自身の瞳に嫌悪感を抱いていないようだった。
ジニーに至っては、じっと見つめながら、素直に「とても綺麗だね」と言ってくれた。
その言葉に、チユの胸はじんわりと温かくなる、
世界にはこんなに優しい人達が、たくさん居たんだ…
チユはその瞬間、世界が少しだけ違って見えるような気がした。
自分を受け入れてくれる人がリーマス以外にも居た事が信じられないほど嬉しかった。
それと同時に、ホグワーツでの生活に対する期待が大きく膨らんでいった。
夕食後、2人は一緒に家に戻るとチユはリーマスに感謝を告げた。
「今日は本当にありがとう。なんだか、勇気をもらえた気がする」
「勇気?」
その言葉に、チユはうなずきながら言葉を続けた。
「うん、良い人達も沢山居るんだって分かったから。ホグワーツでも上手くやっていけるんじゃないかって、すごく楽になったの」
リーマスは静かに頷き、嬉しそうに微笑んだ。
「それを聞いて安心したよ。君ならどこに行っても大丈夫だ」
その夜、チユは心地よい疲れと満たされた気持ちで眠りについた。
新しい生活への期待と、ウィーズリー家での優しさが、彼女の心に深く残り、明日へと続く希望の光となった。