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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第4章 赤毛の大家族




「さあ、みなさん!夕食ができましたよ!!」


モリーの元気な声が家中に響き渡り、ウィーズリー家の賑やかな夕食の時間が始まる。
それを合図に、家族全員が一斉に台所へと向かった。

チユは1番端っこの椅子に座ろうとしたが、双子が彼女を真ん中に座らせ、2人が挟む様に座った。

温かな夕食の匂いが漂う中、しっかり洗いこまれたテーブルの周りには、赤毛の頭が次々に並んでいく。
この家は、まるで家族というものの温かさを象徴しているようだった。


その時、玄関のドアが大きな音を立てて開き、家の中に外の風が少し流れ込んだ。


「「パパだ!!」」


子供たちが一斉に声を上げて玄関の方を振り向く。その声に反応するように、ウィーズリー家の父親が玄関から入ってきた。

髪の毛はほとんど禿げあがっているが、わずかに残った赤毛は子供達と全く同じ色だった。

「やあ、みんな!」ウィーズリー氏は元気よく声をかけ、まずはリーマスとしっかりとハグを交わした。その後、チユに目を向けると、優しい眼差しを向けながら言った。


「君がチユだね。リーマスから聞いていた通り、すごく可愛らしい女の子だ。私はアーサーだ」
そう言って、アーサーは微笑みながら手を差し伸べ、チユと握手を交わした。


彼の温かい手を握り返しながら、緊張しつつもチユは少し笑顔を見せた。


アーサー氏はしばらくチユの手を握ったまま、嬉しそうに言った。
「私は魔法省で『マグル製品不正使用取締局』の局長をしているんだ。」

「マグル製品不正使用取締局?」

「まあ、簡単に言うと、マグルの世界で使われている道具や機械が魔法界に不正に使われないように監視する仕事だね」アーサーは目を輝かせて話し始めた。彼の話す内容は、新鮮で、興味深いものだった。
それからアーサーは目を輝かせながらチユにマグルの世界の面白い話や、マグル製品にまつわるいくつかの事件を楽しげに語ってくれた。

兄弟達は「また始まった」と言わんばかりの表情を浮かべていたが、マグルについて殆ど知識のないチユにとってはとても興味深いものだった。


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