第4章 赤毛の大家族

「私うまくできるかな…」チユがぽつりとつぶやく。

「心配しないで、気を張らなくていいんだよ。普段通りの君で大丈夫だから」


リーマスはにっこりと笑い、チユの肩を軽く叩いた。
それでも、彼女の胸の中で緊張がほぐれることはなかった。

そして、リーマスは暖炉の前に立つと「今度は『隠れ穴』とはっきり唱えるんだよ」と言って煙突飛行粉を手に取り、一握りを空中にまいた。
その粉が微細に煌めき、まるで星屑のように煌いていた。

チユはその光景を見つめながら、覚悟を決める..
暖炉の中に身を沈めるように飛び込み「隠れ穴！」と声を発した。


暖炉から出た瞬間、最初に目に飛び込んできたのは、燃えるような赤髪の双子の少年たちだった。

年はチユよりも少し上に見え、2人とも、まるで鏡で映したようにそっくりで、そばかすまで同じように散らばっている。
その顔があまりにも少年らしく、無邪気な輝きを放っているせいかチユは少し戸惑ってしまった。

双子はチユを一瞬見つめると、まるで彼女が彼らの想像を超えて現れた存在であるかのように目を大きく見開いた。


「お姫様が暖炉から現れたぜ、ママ！」
1人が突然、はしゃいだ声で叫んだ。


しばらくしてから、キッチンの扉がきしむ音とともに、一人の女性が姿を現した。優しげで温かい微笑みを浮かべたその人は、リーマスとすぐに顔を見合わせ、再会を果たしたようだった。


「リーマス！」
女性の声は喜びに満ちていた。

「やあ、モリー。久しぶりだね。」
彼の言葉にもどこか懐かしさが滲じんでいる。二人はしっかりと抱き合い、再会を喜んだ。


「本当に久しぶりだわ。騎士団が解散して以来、こうして会うのは初めてね」
モリーはリーマスと離れ、ゆっくりとチユの方に歩み寄ってきた。


モリーはチユに柔らかく微笑みかけ、手を差し伸べる。「ようこそ！貴女がチユね？待っていたわよ。」


チユは少し緊張しながらも、礼儀正しくお辞儀をした。「は、初めまして。チユです。」彼女はぎこちない引き攣った笑顔を浮かべる。


「よろしくね、チユ。」
モリーはさらに優しい笑顔を見せて、穏やかな声で言った。「私はモリーよ。モリー・ウィーズリー」

その後、次々とウィーズリー家の子供たちが現れた。赤髪の子供たちがどんどんと登場した。