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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第3章 魔法のぬくもり



「さあ、起きて。朝食ができているよ」


元々、眠りが浅かったチユは夜明け前に目を覚ますことが多かった。
しかし、リーマスと一緒に過ごすようになってからは、安心感からか彼が起こさないと目を覚ますことができない体になっていた。


「うん、ありがとう」


チユはゆっくりと伸びをして、食卓へ向かう。
テーブルには、温かいオニオンスープ、サラダ、そしてふわふわのバースバンが並んでいた。
彼の料理のおかげで、浮いていた肋骨も目立たなくなっていた。


食事を終え、食器を片付けていると、リーマスがにこやかに微笑みながら言った。


「君に素敵な贈り物が届いたみたいだ」


「贈り物…?私に?」


チユは不思議そうに顔を上げると、リーマスは外から鳥籠を持ってきた。
その中には、大きな梟が一羽、静かに入っている。

梟は不思議な色の瞳でチユをじっと見つめていた。
羽の色は赤みを帯びた黄褐色で、全体に不規則な縞模様や斑点があり、どこか凛々しく見えた。



「わぁ!でも一体誰から?」


「この人からだよ」


リーマスは手紙を差し出す。チユはそれを受け取り、そっと広げた。

――――――――――――――――――――――――
親愛なるチユ・クローバー殿

君がホグワーツへ入学してくれることを大変嬉しく思う。
ささやかながらお祝いを贈らせて貰ったよ。

この梟は君の友人となり、君を手助けしてくれるだろう。
新学期に会えるのを楽しみにしているよ。

ホグワーツ魔法魔術学校校長
アルバス・ダンブルドア
――――――――――――――――――――――――


「ダンブルドアからだ!」


「君の入学をみんな喜んでいるんだ、もちろん私もね」


彼の温かい言葉と、ダンブルドアからの贈り物に、心の中で何かが溢れそうになっていた。


「この子はワシミミズクという種類の雄の梟だよ。郵便の配達もしてくれる」


チユは鳥籠の隙間に手を差し入れたが、梟はツーンとした顔で、少しも動こうとしなかった。何故か昔から動物には好かれない。


「仲良くなれそうにないけど…」


「はは、大丈夫だよ。ほら、名前をつけてあげよう。そうしたら、きっと仲良くなれるはずだ」

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