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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第3章 魔法のぬくもり




それからの日々は、とても楽しいものだった。


リーマスは、毎朝朝食を作ってくれ、畑仕事や家事を一緒に教えてくれた。
昼食を一緒に作り、夕食までの時間には勉強を教えてくれた。
リーマスの優しさと温かさに包まれて、チユは初めて本当の家族のような感覚を味わっていた。


その幸せな日々は、チユにとって初めての経験であり、その心地よさが怖くなってしまう程だった。



魔法界出身だといっても、チユは知らないことだらけだった。
リーマスはそんな彼女に、ただの勉強だけでなく、日常生活の中で必要なことをたくさん教えてくれた。


しかし、最も大きな学びは、物事のやり方だけではなく、人の優しさや温かい心だった。


それはチユの心に深く刻まれていった。


そんなリーマスの姿を見ながら、チユは思った。
きっと彼は、良い父親になるだろうと。
そしてその思いと同時に、心の中でひとつの願いが湧き上がる。もし、自分がその『娘』だったら、どんなに良いだろうかと。


でもその願いが叶うことはないと、すぐに心の中で否定した。


「そんなこと、あり得ない」――チユは自分に言い聞かせながら、心の中でその思いを押し込めた。


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