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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第15章 森への足音



翌朝、朝食のテーブルに、チユ、ハリー、ハーマイオニー、ネビル宛の4通の手紙が届いた。

全員同じことが書いてあった。

――――――――――――――――――――――
処罰は今夜11時に行います。
玄関ホールでミスター・フィルチが待っています。

マクゴナガル教授
――――――――――――――――――――――


チユは手紙を開いた瞬間、固まった。

「処罰?」

……あっ。

減点のことで大騒ぎだったので、処罰があることをチユはすっかり忘れていた。



「じゃあ健闘を祈るよ!」


夜11時、3人は談話室でロンに別れを告げ、ネビルと一緒に玄関ホールへ向かった。
フィルチはもう来ていた。そしてマルフォイも――

「ついて来い」フィルチはランプを灯し、先に外に出た。


「規則を破る前に、よーく考えるようになったろうねぇ。どうかね?」フィルチは意地の悪い目つきで皆を見た。


「まあ……次はもうちょっとうまくやろうと思うかな」チユが小さく呟いた。
フィルチは気づかなかったが、ハリーが横目でチユを見て、小さく口角を上げた。


「私に言わせりゃ、しごいて、痛い目を見せるのが1番の薬だよ。よく手首をくくって天井から数日吊るしたもんだ。いまでも事務所に鎖は取ってあるがね……万一必要になったときに備えてピカピカに磨いてあるよーしよし、出かけるとするか。逃げようなんて考えるんじゃないぞ。そんなことしたらもっと酷いことになるからねぇ」

真っ暗な校庭を横切って一同は歩いた。ネビルはずっとめそめそしていた。


罰って、いったい何をするんだろう?
チユはぼんやりと考えた。

もしかして、禁じられた森の木の数を数えさせられるとか? それとも、夜行性の魔法生物を捕まえる? いや、むしろ”森の落ち葉を全部片付ける”なんて地味な作業かもしれない。


……さすがにそんな無意味な罰はないだろう。

もっと辛いものに違いない。
……できれば”草むしり”くらいで済んでほしいんだけどなぁ。なんて事を考えていた。


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