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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第13章 再会と新たな謎



医務室を出て、談話室に戻る途中、ハリーは慌てた様子で3人の前に現れた。

「ハリー、一体どこにいたの?」ハーマイオニーがかん高い声で尋ねる。

「僕たちが勝ったんだ!君が勝ったんだ!みんなの勝ちだ!」ロンがハリーの背中を何度も叩きながら興奮して言った。

「それに、僕はマルフォイの目に青あざを作ってやったし、ネビルも立ち向かったんだ。まだ気を失ってるけど、みんな談話室で君を待ってるよ。フレッドとジョージがケーキやら何やら、キッチンから失敬してきたんだ。」


「それどころじゃないんだ。」ハリーが息を切らせながら言った。


「どこか静かな部屋を探そう。大事な話があるんだ。」


ハリーはピーブズがいないことを確認した後、部屋のドアを静かに閉めて、今見てきたこと、聞いたことを話し始めた。


「僕らは正しかった。『賢者の石』だったんだ。それを手に入れるのを手伝えって、スネイプがクイレルを離していたんだ。スネイプはフラッフィーを出し抜く方法を知ってるかって聞いていた…。それと、クィレルの『怪しげなまやかし』のことも何か話してた……フラッフィー以外にも何か別なものが石を守っているんだと思う。きっと、人を惑わすような魔法がいっぱいかけてあるんだよ。クィレルが闇の魔術に対抗する呪文をかけて、スネイプがそれを破ろうとしてるのかも――」


チユは一瞬、息を呑んだ。目の前で繰り広げられている話が、あまりにも大きすぎて、心が追いつかないような気がした。


ハーマイオニーが不安げに言った。


「それじゃ、賢者の石が安全なのは、クィレルがスネイプに抵抗している間だけってことになるの?」

「あまりにも頼りなさすぎる…」チユが首を振る。

「そうだ、3日ともたない。石はすぐにでも失われてしまうよ」ロンが言った。


チユはしばらく黙っていたが、冷静になろうと深呼吸をひとつした。心の中で、何をすべきかを必死に考えていた。このまま放っておけるわけがない。


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