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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第13章 再会と新たな謎



翌朝、「闇の魔術に対する衛術」の授業中、狼人間にかまれた傷の処置法をメモしながら、チユ、ハリー、ロンは賢者の石を手に入れたらどうするかを話していた。


「賢者の石って、きっと綺麗なんだろうなぁ…もし見つけたらネックレスにでもしたいね」

その言葉にロンが少し驚いたように言った。「なんだか、すごく女の子っぽいこと言うじゃないか」

チユはその言葉を受けて、ロンの肩を軽く小突いた。「何よ!」


その後、ロンが石を手に入れたら、自分のクイディッチ・チームを買うという夢を語り始めると、ハリーが思い出したように顔をしかめた。


「そういえば、スネイプが突然クイディッチの審判をやりたいって言いだしたんだ」

「それって、かなりまずくない?」不吉なニュースを聞いて、チユは眉をひそめながら言った。

「まずいどころじゃない、最悪だよ」とハリーが小声で続けた。

ロンが即座に反応した。「だったら、病気だって言えよ。」

「それに足を折ったことにすれば、理由もできるんじゃない?」とハーマイオニーが冷静に提案する。

「いや、いっそ本当に足を折った方が早いかもな」とロンが笑いながら言ったが、すぐに真面目な顔に戻った。


「でも、本気でスネイプが審判だなんて…どうする?」


「試合に出なかったら、スリザリンの連中はスネイプが怖くてハリーが試合に出なかったと思うだろうし、そうなったら目にもの見せてやりたいよ」とハリーは決意を込めて言った。


「ただ、ピッチに落ちたあなたを、私たちが拾い上げる羽目にならなければいいけどね」とハーマイオニーが鋭い視線を向けて言った。

チユはそんなハーマイオニーを見てから、にっこりと笑った。

「ハリーの仇は私たちがしっかり取るよ」

「物騒な事を言わないでよ…」ハリーは苦笑いした。


試合に出ると宣言したハリーだったが、その顔には明らかに不安の色が浮かんでいる。
スネイプが審判として登場することを考えると、どんなに決意を固めても胸の奥に不安が渦巻いているのが隠せなかった。


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